※終了いたしました。
このたび東京富士美術館が企画し、中国大使館、中国文物局と中国文物交流中心(センター)の全面的な協力により、「大三国志展」を開催する運びとなりました。
歴史上の三国時代から現代までの約千八百年にわたる「三国志と三国志をテーマとした文化」を総合的に取り上げる本格的な展覧会の開催は、これまで中国国内でも例がなく、日本では本展が初めての試みとなります。また、本展は北京オリンピック開催記念の意義を込めて、中日友好の文化交流事業として開催するとともに、当館の新館オープンを記念した展覧会として開催するものです。
西暦180年代に入り、400年続いた漢王朝が衰退すると、群雄割拠の乱世の中、魏の曹操・呉の孫権・蜀の劉備が三国鼎立して覇を競いました。そして西暦280年に西晋が中国を統一するまでの約100年間の歴史を、3世紀の陳寿がまとめたものが歴史書・正史『三国志』です。一方、14世紀頃に、民間伝承やこの正史をもとに、英雄たちが活躍する長編歴史小説として羅貫中が書き上げたものが小説『三国志演義』です。
諸葛亮(諸葛孔明)-「丞相 病あつかりき」-土井晩翠の有名な長詩「星落秋風五丈原」に詠われたその姿は多くの日本人の心を震わせてきました。我が国では近世初頭に小説の『三国志演義』がもたらされて以降、現代に至るまでその胸躍るストーリーが庶民の人気を集め、各分野に大きな影響を与えてきました。なかでも昭和十四年から新聞に連載された吉川英治氏による「三国志」は、現在も多数の愛読者を生み続け、その尽きせぬ魅力が今なお多くの読者を雄大な歴史ロマンに誘っています。
本展は、スケールの大きな三国志文化の全貌にせまるため、歴史(史実)と文学(物語)という異なる2つのアプローチの展覧会によって構成されます。一つは「後漢〜三国〜西晋時代」を中心とした貴重な出土品でたどる正史『三国志』をテーマとした歴史展、そして二つめは小説『三国志演義』の名場面と民間伝承や芸能などに幅広く光を当てた『三国志演義』文学展です。
「出土品でたどる三国志」では、古戦場や史跡からの出土品によって実際の歴史上の魏・呉・蜀による三国鼎立の時代にせまります。三国志のドラマが繰り広げられた赤壁の古戦場等、現代に残る遺跡から出土した当時の刀剣や鏃などの武器、金印や装身具、副葬品などの貴重な品々は、私たちに1800年前の三国時代に生きた英雄たちの息づかいを感じさせてくれることでしょう。
また、三国時代の日本と中国の交流を記録した魏志倭人伝についての展示など、中日交流の歴史についてのコーナーも予定しています。
「物語でたどる三国志」では、私たち日本人に馴染みの深い小説『三国志演義』の名場面を、映像やイメージなども活用しながら再現していきます。また、中国で『三国志演義』が大流行した明・清時代に制作された優れた美術工芸品、我が国において三国志の物語を主題に描かれた絵画・浮世絵などを展示し、『三国志演義』が生み出した芸術作品を通じてその物語の魅力を多角的に紹介していきます。
「桃園の誓い」「三顧の礼」「赤壁の戦い」「五丈原」…小説としての文学性を高める秀逸なフィクションを含めた数々の名シーンを立体的に構成し、雄大な歴史文学ロマンを実感できる展示を目指します。
歴史と文化の両側面から改めて中国と日本の交流の深さと広がりを再確認することができるのも「三国志」が持つ大きな魅力の一つといえるでしょう。中日友好の架け橋をさらに幅広く広げゆく契機として、本展が両国の皆様に広く喜ばれる展覧会になれば幸いです。
【出品点数】約200点(関連資料等含む)
※展示構成・出品内容等は予定のため、都合により変更する場合があります。